[ボスニア・ヘルツェゴヴィナ] オスマン帝国の世界への誘い 世界遺産の街モスタル

[ボスニア・ヘルツェゴヴィナ] オスマン帝国の世界への誘い 世界遺産の街モスタル
スタリモストと旧市街の風景

コニーツの街を去り、ようやくボスニア・ヘルツェゴヴィナの最終目的地モスタルへ。この街ではゲストハウスで働きながら、1ヵ月ほど滞在していました。

1ヵ月も滞在していると友人も数人でき、今ではなんだかボスニアのホームタウンのようにも感じる。モスタルはユネスコ世界遺産にも登録されている美しい街。

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モスタル 観光客で賑わう世界遺産都市で

コニーツからヒッチハイクで絶景の山岳風景をモスタルまで。この街ではゲストハウスで働きながら、1ヵ月ほど滞在しました。

ゲストハウスでの仕事はワークアウェイというサイトを使って見つけました。週休2日制で1日5時間働く代わりに、宿泊代と食事代がタダ。

働いていたゲストハウスは、「ホステル・ミラン」。ミランさんと彼の家族が経営する家族経営のアットホームなゲストハウス。同僚にも恵まれて、毎日美味しいボスニア料理をご馳走してもらって。

今ではモスタルに家族ができたといっても過言ではない。

ホステル・ミランの仲間

1ヵ月も滞在したモスタル。ネレトヴァ川に架かる16世紀に建設された美しい石橋スタリモスト、オスマン帝国の時代に迷い込んだかのような旧市街の街並みが世界遺産に登録されている街。

今ではそんな魅力あふれるモスタルを、世界中から観光客が訪れる。ゲストハウスも毎日満員御礼だった。

夕暮れ時のモスタル

モスタルには先史時代より人々が生活していた痕跡が確認されている。最も古い集落はブナ川の上流の洞窟で見つかりました。

その後14世紀にはボスニア王国の一部となり、1468年にはオスマン帝国の支配下に。以前のモスタルは小さな村に過ぎなかったのですが、ここから交通の要所として発展していきます。

発展の過程で、1566年にはネレトヴァ川に架かっていた木製の橋は石造りの橋になります。これが現在にも残されている、モスタルの象徴スタリ・モスト。

スタリ・モスト

全長28m、高さ20mと当時の建築技術のすべてをつぎ込んだ、オスマン時代の重要な建築物です。

有名なオスマンの旅行家エヴリヤ・チェレビは17世紀にモスタルを訪れた際、「橋は一方の崖から他の崖へ延び、空まで舞い上がる虹のようだ。16カ国も巡ったが今までこのような高い橋は見たことがない。橋は空と同じような高さを岩から岩へ架けられている」と記しているそう。

当時の人々にもそれだけ衝撃的で、美しい橋だったのでしょうね。

スタリ・モストの下にあるビーチから

スタリ・モストが開通してからは、街は典型的なオスマン帝国の街として発展していきました。

その名残が見られるのがスタリ・モストの周辺の美しい旧市街。石畳の通りに、石造りの建築物群がオスマン時代の街へ誘います。

スタリ・モスト旧市街
スタリ・モスト旧市街
スタリ・モスト旧市街

そんなモスタルにもボスニア・ヘルツェゴヴィナの戦争の影が。1991年ヘルツェグ・ボスナ・クロアチア人共和国の存在が宣言され、ボスニア・ヘルツェゴヴィナのからの分離を宣言。

これによりスタリモストを挟んで西側がクロアチア勢力、東側がボスニア・ヘルツェゴヴィナ軍により支配されることになり、モスタルは東西に分裂されます。

紛争は激しくなり、同じ街に住んでいた人々同士で殺し合う悲劇に。1993年にはクロアチア勢力により、スタリ・モストは破壊され、橋はネレトヴァ川に破片となり崩れ落ちることに。

現在でも残る紛争の傷跡
ネレトヴァ川から見るモスタル

紛争の終結後、川底から破壊された橋の破片を引き上げ、足りない箇所は地元の石材を用いスタリ・モストの再建が始まります。

ユネスコの支援を受けたトルコ企業が創建当時の技法を駆使し、スタリ・モストが再建されたのは2004年。周辺の歴史的な建物も再建され、現在のような姿に。

スタリ・モストとモスタルの風景

ただ現在でも全て元通りというわけにはいかず、例えば周辺の丘に埋められた地雷はまだ完全には除去されていないのだとか。

地元の人にも丘に登るのはいいが、絶対に登山道から外れないようにと注意を受けました。

丘の上から
丘の上で見つけた上で見つけた塹壕

また現在でもクロアチア人とボシュニャク人の多数はネレトヴァ川を挟んで東西に別々に生活しています。

スタリ・モスト西側

7月や8月のシーズンになると、モスタルには世界各国からの観光客が訪れ、小さなモスタルの旧市街は人とぶつからずには歩けないほどになります。

そこでおススメなのは街歩きは早朝か、夜にすること。朝の7時ぐらいだと誰もいないので、ゆっくりと写真を撮影しながら街歩きを楽しむことができます。

また夜の景色もいいですよ。旧市街がライトアップされて雰囲気たっぷり。

夜のモスタル
夜のモスタル スタリ・モストから
夜のスタリ・モスト
夜のモスタル旧市街

観光シーズンにはイベントも多く、ある日の夜には花火があがった。仲間とビールを飲みながら、花火を観賞。

これから二度とドーンという銃声があがるのではなく、ずっと美しい平和の花火があがり続けてくれればいい。

スタリモストに花火が上がった日

夜10:00ぐらいまでは多くの観光客がいますが、それ以降になるとシーンとした静寂が街に広がります。

石畳の通りにあった人混みは姿を消し、オスマン帝国を雰囲気をより感じられる時間。

深夜、静寂がモスタルを包む
深夜、静寂がモスタルを包む

めっちゃ暑い夏の日にはネレトヴァ川上流に泳ぎに行ったりもした。でも蚊が多くて、多くて、とても泳ぐ気分にはなれず断念。

すごいきれいな色をした川なんだけれど、例えばスタリ・モストの下のビーチとかは泳ぐのやめた方がいいと思います。生活排水垂れ流しだろうし。

ネレトヴァ川上流
ネレトヴァ川上流

もし観光シーズンにモスタルを訪れることがあれば、スタリ・モストの橋の上で水着を着ている人が、観光客からお金を集めている姿を目にするかもしれません。

彼らは観光客からお金を集めると、パフォーマンスとして橋の上から25メートルある橋の下まで飛び込みます。これが結構危険で、マネをして飛び込んだ観光客が、体の骨を折ったりするアクシデントがあったり。

飛び込み方にも怪我をしないようにコツがあるようで、もともとこの飛び込みはモスタルの子供が大人として認められるための伝統として行われていたようです。

現在では観光客向けのパフォーマンスになり、滞在中には飛び込みコンテストなるものもありました。審査員もいて、ポイント制で競う。

膝を曲げてジャンプし、足を伸ばしてまっすぐ着氷するのがコツのよう
頭から飛び込む猛者も
飛び込みコンテストで賑わう?ビーチ

私は1ヵ月ほど滞在していたので、モスタルに住む人々とも仲良くなり、フットサルをして遊んだり、他のゲストハウスで働く旅人ともたびたび集まったり。

フットサル仲間
フットサルの試合
お気に入りのボスニアコーヒー屋

今ではモスタルと聞くと、ここで過ごした仲間との温かい時間が思い出され、なんだか家に帰って来たかのような気分になるのです。

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モスタル周辺の見所

モスタル近郊の丘から

モスタルといえばスタリ・モストと旧市街の風景なのですが、周辺にもいくつか見所があります。

ボスニアで一番美しい滝との評判のクラビツァの滝。ネレトヴァ川の源流があるブラガイ。オスマントルコの歴史的建造物が残るポチテリ。

クラビツァの滝

ボスニアで一番美しいと呼ばれるクラビツァの滝はモスタルから45kmほど離れた位置にあります。ここまでの公共交通機関はないので、簡単なのはモスタルからのツアーに参加すること。

ヒッチハイクでも辿り着けますけど、誰もがしたいわけじゃないと思うので。

個人的にクラビツァの滝はモスタルに来れば、絶対に訪れた方がいいと思います。何といってもめっちゃすごい景色。

クラビツァの滝
上から眺めるクラビツァの滝

そして最高なのが、ここで泳ぐことができること。真夏にマイナスイオンをたっぷり浴びながら泳ぐのはいいですよー!レストランやトイレもあるので心配なく。

ポチテリ

ポチテリの風景

ポチテリはオスマン帝国時代の風景が残る小さな村。丘の上には城塞があったり、昔のトルコ式浴場ハマムであった建物が残っていたり。

青とも緑ともいえないようなネレトヴァ川に沿って、山の斜面にあるポチテリ。村の通路は石畳になっていて、家も伝統的な石造り。

丘の上からポチテリを眺める

紛争があった際には、多くの建物が取り壊され、もともと住んでいた人々は殺されるか、避難するかで、この村から人は消えた。

しかし今ではかつての住人が戻り、生活を営んでいるようだった。

伝統的な石造りの家屋

ブラガイ

モスタルの中心を流れるネレトヴァ川。この源流があるのがブラガイです。何と洞窟の中から、大量の水が湧き出ていているのです。

オスマン帝国の人々もここを神聖な場所と考えたのでしょう。水が湧き出る洞窟のすぐそばに修道院を建設しました。

オスマン帝国時代の修道院と水が湧き出る洞窟

周辺には食事ができるレストランもあり、この神秘的な雰囲気を味わいながら、のんびりしてはいかがでしょうか。

ネレトヴァ川の源流

紹介させていただいた、ブラガイ、ポチテリ、クラビツァの滝ですが、モスタルから出ている日帰りツアーで3か所を1日で訪れることもできます。

おわりに

モスタルを離れた後は、モンテネグロへ。モンテネグロもおススメの国です。

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